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高柳 敏幸
Chemical Physics, 308(3), p.211 - 216, 2005/01
被引用回数:6 パーセンタイル:20.35(Chemistry, Physical)O(D)+NO反応について量子-古典波束法を用いた理論計算を行った。計算は平面対称性を仮定した5次元で行い、NO分子の3振動自由度を量子波束法によって取り扱い、残りの2自由度を古典力学で取り扱った。以前われわれが開発した高精度分子軌道法の計算結果をもとにして開発した解析的なポテンシャルエネルギー曲面を用いた。この計算の目的は2つの反応生成チャンネル、NO+NO及びN+Oが衝突エネルギーやNO分子の初期振動量子状態によってどのように変化するかを理論的に調べることである。計算の結果、衝突エネルギーの増加とともに、NO+NOの生成確率が減少し、N+Oチャンネルが逆に増加することを見いだした。一方、生成分岐比はNOの初期振動量子状態によってほとんど影響を受けないことがわかった。これらの計算結果は、成層圏での熱非平衡下で起こるO(D)+NO反応のメカニズムを理解するうえで極めて重要である。
赤木 浩; 横山 淳; 藤村 陽*; 高柳 敏幸
Chemical Physics Letters, 324(5-6), p.423 - 429, 2000/07
被引用回数:15 パーセンタイル:43.15(Chemistry, Physical)O(D)+NO反応のポテンシャルエネルギー曲面を、高レベルの分子軌道計算により、理論的に算出した。NO分子のN原子端に、さまざまな角度方向からO(D)原子の近づくことができる。大きなポテンシャルの井戸が存在することがわかった。一方で、その接近する角度の違いで、反応経路上のエネルギー障壁の高さが変化することも判明した。これらの結果により、過去に報告されている実験結果を説明することが可能である。